イベントレポ 2025年04月08日
...
なぜAile The ShotaはJ-POP STAR でありたいと願うのか?〜『Aile The Shota Oneman Live 2025 』から探る“REAL POP”〜
Aile The Shota SKY-HI BMSG ODORI Chaki Zulu REAL POP Maddy Soma Kenya Fujita BE:FIRST

写真: Satoshi Hata

文: Kobou Kadota

雨の予報であったが傘は持たなかった。

『Aile The Shota Oneman Live 2025』が開催される東京ガーデンシアター。もう3月だがぐずついた空に風は冷たい。今日は稀代の晴れ男SKY-HIがゲスト出演するので傘はいらないだろう。そんなふうにBMSGライブの日はいつもCEOであるSKY-HIを頼りにしている。

3年前に想いを馳せながら会場に向かった。「SKY-HI HALL TOUR 2022 -八面六臂-」の追加公演は3年前同じくここガーデンシアターで行われた。あの日のオープニングアクトがAile The Shota。あの時披露した「AURORA TOKIO」は堂に入ってて新人らしからぬパフォーマンスだった。いつもステージでも自然体、前座としてしっかり会場を盛り上げたことを思い出す。

会場に着くとたくさんのファンが列をなしていた。美しい春色の花柄スカーフが目についた。Aile The Shotaのグッズは素敵だ。思わず欲しくなったがすでに売り切れていた。タオルもこんな寒い日にマフラーとして普段使いできそうなおしゃれな色使い。アートワークに関するAile The Shotaのこだわりを感じられる。

会場内のBGMもAile The Shotaが自らセレクト。観客はそんなセンスの良い音楽に身をゆだね始まりを待っている。今日のガーデンシアターは3階奥までぎっしりの満員御礼。

テーマは『REAL POP』”本質的で大衆的であること”。個人的には若干相見えない言葉だと定義しているこの2つのワードから成る造語に少し頭を悩ませる



”ODORI”は確固たる意志を持って世に放たれた。

ノスタルジックなイントロが流れる。「さよならシティライト」。Chaki Zuluがプロデュースしたこの曲は懐かしいのに先鋭だ。Aile The Shotaの提唱する”POP”を語るのにはふさわしい1曲。ステージは交差しながら照らす紫色のライトで妖しく郷愁を帯びアーバンシックな夜の始まりを予感させる。

そこにAile The Shotaが現れ、掲げた右手でパチッと指を鳴らすと歓声が鳴りやんだ。

「東京ガーデンシアターAile The Shotaワンマンライブ”REAL POP”、始めようか」間奏に低めのトーンでクールに始まりが告げられた。気合の感じられる長い長いフェイクに初っ端から耳を奪われる。

「会いたかったぞー!!」歌い終えると一転して弾けるような笑顔で声を張った。大きな歓声が巻き起こる。続くは「so so good」”踊れー!”という合図と共に歓喜しながらジャンプで呼応するオーディエンス。Aile The Shotaの音楽を待ち望んでいたことがわかる。渇いた大地はAile The Shotaの声で徐々に潤っていく。続く「常懐」では早くもサビで合唱が起こる。「マジで最高!」とAile The Shotaはサムアップしてオーディエンスを称える。


「DEEP」のイントロが流れた途端さらに湧き立つフロア。その感情を吸い込むようにAile The Shotaは大きく深呼吸した。《そのままで》繰り返されるノリやすいサビのフレーズ。Aile The Shotaがそれに合わせて軽快にハウスステップを踏むとオーディエンスも歓声をあげ体を揺らす。序盤でもう音に敏感に反応し暖まっている観客たち。ここでギアをあげるためか眼鏡を外したAile The Shota。ダンスパートの始まりだ。

「みんなに最高をお届けするメンバーを紹介したいと思います。THIS IS MY クルー ODORI,Let’s go!」

大きな水滴がポトっとステージに落ちるような音がした。ステージが青いライトで染められるとキレの良いドラム音と共にODORIクルーが4人登場した。小気味よくヒットを打ちながらリズムとリンクする。力強い打撃音を体全体で表現しながら時折流れる水の音にもスムーズなムーブで呼応する。


「Just Relax、緊張するなよ」Aile The Shotaの言葉はクルーに向けてか。暖かくODORIを見守る目は優しい。止まらずに鳴り続ける音楽はいつしかダンサブルな「hungover」に。この曲でフィーチャリングしたKenya Fujitaが加わり歌うとサウンドはエモーショナルにさらに深みを増した。間奏で前に出たクルーの心地よいグルーヴ。歌とダンスそして小憎いほど巧みなDJ。三位一体がシックに溶け合う空間に観客は酔いしれ拍手が巻き起こる。

躍動するODORIクルーたち

Aile The Shotaが静かに語り始めた。「”REAL POP 本質を大衆へ”それをテーマに掲げて全国から集めたクルー。そんな彼らに書いた1stシングル」「まずは愛を持ってリスペクトを持って破壊したいと思います」『Destroy』

まずは”ファーストシングル”という一言に驚愕する。ダンスクルーなのに音楽なのか?

心電計のようなビープ音がフロアに冷たく鳴り響く。終焉へのカウントダウンか。中央に集められた13人のODORIたち。スポットライトで1人のクルーが照らされる。無機質なエラー信号に合わせて細かなバイブレーションが彼女の全身にほとばしる。後方で胡坐をかくAile The Shotaが読経のような低く感情を殺したラップを展開する。いつしかステージは青い不気味な光に包まれ全員を浮かび上がらせた。次第にグルーヴィーになるラップに合わせるようにクルーの動きも滑らかに躍動感を増す。


《Destroy!!》合図が放たれた。クルーたちは一斉に散らばり自由に踊りだす。ほとばしるエネルギーに観客から大きな歓声が上がる。渇いていた心音はいつしか水に満たされ力強い鼓動に変わっている。次第に揃いゆく足並み、強い眼差しで前を見据え繰り広げるダンスは揺るぎない決意を纏い私たちを魅了した。大きな歓声と共にステージを後にしたODORIクルー。

”ODORIは音楽である”という確固たる意志を持って1stシングル「Destroy」は世に放たれた。



SOTAとの出会いは「Maddy Soma知ってる?」

鳴りやまないビープ音は次第に複雑に。気づくとステージの中央に2人のダンサーの影。ヒットを細かく入れたバイブレーションは見事にシンクロして圧倒的だ。誰かが悲鳴のような金切り声をあげるとともにどよめきが沸いた。影の正体は先ほどのDestroyでも冒頭で見事なバイブレーションを披露したODORIクルーの最年少ホープLuuny muunyとそして、、BE:FIRSTのSOTA。

「ShowMinorSavage!」Aile The Shotaがそう言葉を発し次にBE:FIRSTのMANATOを呼び入れた。どよめきは次第に大きな歓声に変わる。Aile The Shotaが始まりのBMSGオーデション「THE FIRST」でタッグを組んだ3人組ShowMinorSavageが姿を成した。

Show Miner Savage(Aile The Shota,BE:FIRST MANATO,BE:FIRST SOTA)の息の合ったステージ

《No cap navy~》MANATOの少し気だるそうな掛け声が流れ3人が踊る。バックミュージックはオーディションで披露されたNo cap navyと2023年にリリースされたSUPER ICYを掛け合わせたアレンジ曲。《Don’t ask why!》とSUPER ICYのフレーズが流れるごとに狂喜するフロア。3人がこうして顔を合わせてパフォーマンスする機会は貴重なのでこんなファンの興奮もうなずける。

「今日超イケメンじゃないっすか?」SOTAがMCで話し始めるとフロアからまた悲鳴があがる。「あと、この髪色見てほしい」今日のAile The Shotaは昨日リリースされた新曲「SAKURA」にちなんでかピンク色。そしてMANATOはブルー。2人並ぶとサンリオキャラクターのキキララのようだ(※言えないのでフフハハとごまかす。)「仲間外れでーす。」金髪のSOTAがちょっと拗ねた様子で話す。「THE FIRST」から変わらないそんな緩めな3人のトークにほっこりする。

「今日ステージ前Aile The Shotaが客演のみんなを見渡して”うあ、俺の人生だ”」とつぶやいたのが心にきたとSOTAが話すとAile The Shotaは言った。「きょう俺の人生の27年間の集大成。次を提示するためにやることは1個だけ」「楽しむだけですから」

「Thinkin’ bout you」が始まる。トランペット奏者REIYA TERAKUBOを迎え入れての贅沢な伴奏だ。極上な音色が会場に響き渡るとSOTAがそれに負けじとエモーショナルに歌い心を震わせる。MANATOが繋ぐ”Thinkin’ bout you” 滑らかでグルーヴィーなリフレインが中毒性を誘い耳を捕まれる。《独りよがりのワガママをまた顔に出してしまった》音でも詞でもAile The Shotaのすべてを感じられるようなこのフレーズはアレンジを加えられさらに瞼の奥をじわっと刺激した。続く「Ocean」でもオレンジの夕陽のようなライトに照らされた3人のハーモニーに生バンドが加わりさらに華やかに会場全体を包み込んだ。

「マジでしんどいと思う時あるじゃん」Aile The Shotaが語り始めた。「そういう時に音楽は寄り添ってくれる力があるなと思うし、俺は音楽を作り続けて今みたいな音楽を歌い続けて少しでもあなたに寄り添いたいなと思ってるわけです。これからもいっぱい聴いてくれますか?」そんな問いかけに当たり前だと言わんばかりにオーディエンスが歓声と大きな拍手で応える。「あの時あの人のこの曲が俺を救ってくれたように…」

Aile The Shotaがアカペラで丁寧に詩う。《ヤな事ばかりが続く事もあるでしょう 足りないものなどキリが無いし 頑張らないのもたまには悪くないでしょう See you again…》聴きなれたフレーズにオーディエンスの大半は次のゲストが誰かと察し待ちわびる。

「俺の愛する人ですー!」そんな紹介と共に颯爽と現れたSKY-HI。がっちりとハグをすると持て余し気味の感情を発散するように「me time」を歌い始めた。「俺幸せですわ~」にこやかに目を細めながら呟くAile The Shotaに「俺のほうが幸せだぜ~」と3倍ぐらい大きな声で愛を伝える。「Aile The Shota愛してるやつどのぐらいいる?手上げてみて!」そんな問いかけをしながら挙がった手を確認することもなく「俺のほうが愛してるぜー!」オーディエンスに懸命にマウントを取ろうとする。これだけは絶対誰にも譲らないつもりのにSKY-HI思わず頬が緩む。

「おい、世界一楽しい場所にすんぜ。アゲろ!アゲろ!」SKY-HIが懸命にフロアを煽る中「J-POP STAR」が始まった。

SKY-HIとAile The Shotaの愛の溢れるステージ

《掴み取るJ-POP STAR!》Let’s goという掛け声と共にAile The Shotaが勢いよく歌い始める。そんな彼のために全身で”もっと来いよ”と言わんばかりに大きく両腕をフロアに向かって前後させるSKY-HI。大きな愛の塊を全力でAile The Shotaに捧げたくてたまらない様子にオーディエンスも懸命に応えハンズアップする。《東京から世界中超えて宇宙まで平成から令和飛び乗るOriginal オンリーワンじゃ終われないや I’m a J-POPSTAR止まれないや》大きな目標を歌うAile The Shotaを《ケツは持つぜ》とSKY-HIが懸命に押し上げる。3年前には想像もできなかった今の2人に思わず目頭が熱くなった。

《始まりは渋谷Club Eggman》次に憧れのMaddy Somaとフィーチャリングした「new blood」が始まる。後方の階段からクールに登場したMaddy Somaの声は腹にドスンと響くような重低音。混じり気のない1本気のラップがまさにnew bloodのように鮮烈に混ざり合いシナジーを起こす。後の写真撮影でAile The Shotaは「THE FIRST」で初めてSOTAと出会ったとき交わした言葉は「Maddy Soma知ってる?」だと語った。《ヤバいBrother&Sensei》なMaddy Soma。




生バンドとのセッションで完成した「AURORA TOKIO」は最強。

「楽しんでくれてますか?」観客にAile The Shotaが問いかけると「Yeah!!」と歓声が上がる。「あーよかった!」安堵したように笑うと、デビュー曲「AURORA TOKIO」を披露する。プロデュースしたSHIN SAKIURAとサックスのKENT(Souflex)がゲストとして登壇した。しびれるように粋なサックスはアーバンなこの曲をさらに深く艶っぽく彩る。間奏のギターソロはしっとりと有機的な響きを与え最強の「AURORA TOKIO」がここに完成した

続いてAile The Shotaが大きく1回シャンプをするとラテン風なパーカッションの音色がリズミカルな「Yumeiro」が始まる。オーディエンスもリズムと共にジャンプし会場は楽しい夢色に包まれる。「Say What?」Aile The Shotaが問いかけると「Turn up Singing LOVE!」と大きなレスポンスが起こる。この曲の主役はオーディエンスだといわんばかりにフロアを明るく照らされると、みんなが楽しく飛び跳ね身体を揺らす。鳴り続けるパーカッションに管楽器の華やかな音色が重なり「FANCITY」はさらにソウルフルに。生バンドとのセッションでAile The Shotaの音楽はステージの奥まで果てしなく広がり続けた。

音楽が鳴りやむとAile The Shotaは大きく一呼吸してから《愛のプラネット》と大切そうにタイトルでもあるこのフレーズをそっと空気に乗せた。バンド演奏が加わると「さすがに歌えるよね?」とオーディエンスを楽しそうに誘う。《しかめっ面のあいつらに会いに行こう 気づかせるのさ共通項》愛にあふれた歌詞をピースフルな笑顔で歌うとそこにdawgssの森光奏太が爽やかな歌声でピュアな感情を繋げた。

「楽しんでますか?」Aile The Shotaはここでもオーディエンスの気持ちを確認してから語り始める。「こういう俺が作る輪から何かが生まれていってそれが愛とか平和とかに繋がったらめちゃくちゃいいなと本気で思ってます」そんな真摯な愛情を受け取ったオーディエンスからは拍手喝采が巻き起こった。


満員のガーデンシアターは暖かな音楽で包まれる


最後のフレーズは泣きながら小さく消えた。

ガーデンシアターに立つのは約3年前の「八面六臂」のオープニングアクト以来なんですが大分成長できたと思います。どうですか社長」とSKY-HIにも感謝を述べた。そして原点であるというDREAMS COME TRUEの「空を読む」を披露した。この曲をオフィシャルでカバーできたことにはAile The Shotaのママも大喜びしたという。《思い通りになんていかない》ともどかしさに唇をかみしめ呟くような歌詞は20年経った今でも誰もが共感できる普遍性を持っている。Hiromu(INIMI)の美しいピアノの音色に寄り添うように腰掛けながら、リスペクト込めてストイックに歌いきった。

Memoriaは儚いスモークの中で

「俺たち人間は忘れてしまう生き物だけど忘れたくないと思うものがあってもいい。そういう気持ちを大切にしたい」そう語って歌い始めたのは「アノナミダ」 時間と共に癒えていく過去の傷を”あの日の涙”を忘れゆく自分を戒めるような繊細なリリック。《太陽の灯よ 僕を許さないで》と叫ぶように歌う。ステージはそんなAile The Shotaを癒すように満天の星で美しくライトアップされた。《いつもの空が違うように見えた。少しだけ青く綺麗に…》最後のフレーズは泣きながら小さく消えた。そんな彼を精一杯のクラップで観客は鼓舞した。

「会えなくなった人にもう会えなくても絶対にその悲しみを忘れたくないと思って書いた曲なので…」 泣くつもりはなかったと涙ながらに謝るAile The Shotaにオーディエンスが精一杯のエールを送る。”がんばれー”とあちこちから届く言葉に涙が止まらないのかステージを背になかなか振り向くことができない。

意を決して振り返ったAile The Shotaは「ビジュチェック!」と茶化してスマホでビジュアルを確認し始める。「そんなに自分に自信があるタイプではないのが本音です。だからステージ上では自分を好きでいたい」と言うと”がんばれ”と観客からもっと大きな拍手が贈られる。本気でファンデーションで化粧直しを始めた彼に笑いが起こった。気合を入れなおし次の曲紹介をする。「次は棒立ちはだめですよ。だって次の曲は、、、踊りませんか!」




Aile The Shotaは万感の思いを込め美しい桜を見上げた。

《ねぇ 君は 何を考えているの?》こんな呼びかけから始まるこの曲はノリノリのダンスチューン。Aile The Shotaはステージを軽く指さし緩く踊りながら届ける。実は《春夏秋冬喜怒哀楽》たった8文字で振り返るにはあまりに切ない恋のラストシーンなのではあるが、いまは何も考えずに踊れとばかりにステージのミラーボールから四方八方に光が散らばる。《ねぇ 君が好きなクロエの香りは》と歌いながらAile The Shotaが後ろの小瓶を手にすると天井に向けて数回噴射させた。クロエのパフュームか?この歌詞はフィクションでAile The Shota自身もクロエの香りを知らないと語っていたことがあるが、前列の方は香りと共にステージを楽しめたのかもしれない。

ステージが鮮やかなピンクのライトで染まった。「どんな時にも今日という日を思い出せますように 最後の曲です、”SAKURA”」ライブ前日にサプライズリリースされたこの曲はノスタルジックなビートでスピード感のあるJ-POPらしい1曲。これを封切に今後2025年は春夏秋冬シリーズを1曲づつリリースするという。”SAKURA”という題材は今までたくさんの王道J-POPが扱ってきてすでに多くの名曲が存在する。『REALPOP』の第1歩が「SAKURA」であるのは勿論意識をした上でのチャレンジだろう。《ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる廻って ひらひらひらひらひらひらひらひら 風に揺られて》こんな楽しい遊びのある歌詞に早くもタオルをぐるぐる回しながら呼応するオーディエンスも見られる。

《曇り空、水溜まり》2番のアタマに並ぶ懐かしいフレーズそして”桜”。そう、あの「YOLO」である。「THE FIRST」でAile The Shotaが所属したチームCの名曲。永遠に忘れることのできない金字塔であるあの曲のオマージュであるかもしれない思うとこれは特筆せざるを得ない。そんなことを考えていると不意にたくさんの花びらの形をしたピンクの紙吹雪がフロア内に大量に噴射された。たくさんの小さな花弁が空中を舞って天井近くまで届き降りそそぐ。2階席3階席まで螺旋を描くように舞い続ける桜吹雪。乱反射した光とともにホール全体ををピンク色に染め上げた。Aile The Shotaは万感の思いを込めるように美しい桜を見上げ歌い終わると「ありがとう」とステージを後にした。

満開の桜の中で歌うAile The Shota

暗転した会場でハッピーバースデーの大合唱が起こった。昨日27歳の誕生日を迎えたAile The Shota。1人また1人と観客がスマホのライトをろうそくに見立てそれを掲げていく。楽しかった今日に感謝を込めてAile The Shotaに素敵なプレゼントを贈った。

”ATS! ATS!” 次第に大きくなるアンコールに暗転していた会場がライトアップされた。集められた白い光に包まれているのはAile The Shota。まずは激しいビートの「No Frontier」を届け会場に応える。

「アンコールありがとーー!!」大きな声で感謝を述べたAile The Shotaは、命がけでやりますと続けざまに疾走感溢れる「IMA」を届ける。出し惜しみなしの最後のバイブスにオーディエンスも惜しみなくハンズアップで熱く呼応する。上げた拳に力を込めて最後を締めたAile The Shotaは力尽きたようにステージに大の字に寝そべった。

「今日は本当にありがとうございます!」Aile The Shotaは立ち上がり襟を正して改めてオーディエンスに感謝を述べた。そしてステージ上層階の方向を指さし「今日は楽しかったですか?」と再び問いかけた。会場中から感謝の拍手が湧き起こる。聴いてほしいことがあると語り始め「俺、絶対東京ドームでライブやるんで!何年もかけるつもりもないから!」と力を込め強調した。紅白も出る、男に二言はないと断言する姿には今日のこの公演で何かを掴んだかのような自信が感じられる。そして次への提示として5月16日(金)にZepp Shinjuku(TOKYO)で2年ぶりの『Place of Mellow』の開催が発表された。また8月2日(土)に代官山UNIT(TOKYO)、8月31日(日)に梅田Shangri-La(OSAKA)でファンクラブイベントが行われることも発表された。

その後今日の出演者がAile The Shotaから一人づつ紹介され最後写真撮影を全員で行った。ODORIクルー一人一人の名前も紹介され初々しい彼らをAile The Shotaが大切に応援している優しさが伝わった。そして私たちオーディエンスのことも忘れず嬉しそうに「俺の人生です!」と円を描きながら指さしした。

「今日は愛し合ってくれてありがとうございました。強く心を込めて最後まで愛を歌わせてください。ラスト、LOVE!」tofubeatsの軽快でミニマルなビートにのせて歌われるAile The ShotaのLOVEは《立てられた中指にはできるだけ寄り添いたいし》とどこまでも懐が深い。ミラーボールからは暖かい黄色い光が乱反射し少し浮遊感があるような空間で私たちは最後まで小気味よいリズムにあわせて掲げた手を振り続けた。ラストはバンドメンバーとDJ HIRORONの周りを1周しながら彼らを紹介するとステージ中央へ戻り深々とオーディエンスに長いお辞儀をして、今日の”REAL POP”を締めくくった。

J-POP STAR, Aile The Shotaは私たちを”人生”と言った。



ーーー「楽しんでますか?」何度聞かれただろう…。そんなことを考えながら会場を後にした。今日Aile The Shotaから一番たくさん発せられた言葉。毎回場面が変わるたび都度何度も彼は私たちにそう聞いた。そんなに心配しなくても私たちはずっと”楽しかった”。

《雨の日でも風の日でも笑顔で空気を読んでる》そんなAile The Shotaはいつもそうやって周りの人の笑顔を確認しながら気遣ってきたのかもしれない。

”REAL POP”はAile The Shotaが考えるとびきりの”楽しい”。今日私たちは沢山の音楽のリアルを楽しみながら受け取った。これからもAile The Shotaはそれを誰もが受け取りやすいかたちで届けてくれるはずだ。今日のライブはバンドやダンスクルーを引き連れたサイズアップへの覚悟と証明。これからアリーナ、ドーム、TVショー、ステージはそんな風に変わっていくかもしれない。でも心配することはない。寄り添い上手な彼はきっとこれからも無意識にでも聞いてくれるはずだ。何度も何度も、「楽しんでますか?」と優しい声で。

笑顔があふれる幸せな記念日を撮影






◆Aile The Shota Oneman Live 2025◆2025年3月16日(日) 東京ガーデンシアター

【セットリスト】

M01 さよならシティライト

M02 so so good

M03 常懐

M04 DEEP

M05 Eternity[ODORI]

M06 sweet[ODORI]

M07 hungover(feat.Kenya Fujita)[ODORI]

M08 Destroy[ODORI]

M09 Thinkin’ bout You(feat.SMS)

M10 Ocean(feat.SMS)

M11 foolish

M12 gomenne

M13 me time(feat.SKY-HI)

M14 J-POPSTAR(feat.SKY-HI)

M15 new blood(feat.Maddy Soma)[ODORI]

M16 AURORA TOKIO

M17 Yumeiro

M18 FANCITY

M19 愛のプラネット(feat.dawgss)

M20 空を読む

M21 Memoria

M22 アノナミダ

M23 踊りませんか?

M24 SAKURA

En1 No Frontier

En2 IMA

En3 LOVE



BUZZチケ編集部注目ポイント

Aile The Shotaが東京ガーデンシアターで開催したワンマンライブ『REAL POP』は、音楽・ダンス・仲間との絆に満ちた感動的な一夜となった。

観客との対話を大切にしながら、未来への覚悟と愛を込めてJ-POP STARとしての成長を堂々と示した。