インタビュー ニュース 2025年04月09日
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愛媛発、グローバル行き!Diva Wisteria(ディバ ウィステリア)が楽曲「GIFT」に込めた想いと展望
Diva Wisteria GIFT B-FAM

文:ino

写真:JET


耳に残る低音ボイスと、変幻自在なフロウ。

唯一無二のラップスタイルと、言語やジャンルを越えて響く音の審美眼を併せ持つDiva Wisteria(ディバ ウィステリア)は、2003年生まれ・愛媛県出身の若手ラッパーだ。

そんな彼の新曲「GIFT」が、4月9日にリリースされた。

楽曲に込めた想いに加え、「SHOW ME THE MONEY11」にて活躍した韓国の人気ラッパー・NSW yoonも所属する注目クルー「B-FAM」の結成秘話や、今後の展望についても語ってもらった。



–リリース情報–

Diva Wisteria「GIFT」

配信日:2025年4月9日

配信リンク:https://divawisteria.bfan.link/GIFT

Artwork Design:HIROTO


今まで沢山貰ってきたものに対して、今度は自分が「GIFT」として返したい


ーー楽曲「GIFT」はどの様な思いが込められている曲ですか?

Diva Wisteria:僕はこれまで服とか、本当に色々な物を貰うことが多くて。

物だけじゃなくて、例えば髪の毛もいい感じにしてくれたりとか、アドバイスをくれたりとか、中でも地元の人達が沢山のものを僕に与えてくれたんです。

なので、次は僕から「GIFT」を返そうというテーマで書いた曲です。



ーーリリックの「JPNから繋ぐバトン」や「それまでには行きたいLondon」に込められた意味は?

Diva Wisteria:僕が所属している「B-FAM」っていうヒップホップクルーがあるんですが、もともと“ワールドワイドで活動していこう”っていうビジョンを持っていて。

だからこそ、日本からいろんな国へ、自分たちの音楽でバトンをつないでいきたいという思いを込めて書いたリリックです。

「ロンドン」って言葉を入れたのは、僕がもともとUKの音楽がすごく好きなので、いつか実際にロンドンに行ってみたいという思いからです。


ーー「GIFT」の印象的なトラックはどのように決まったのですか?

Diva Wisteria:今回の「GIFT」に関しては、ライブでの盛り上がりを最初から想像しながらビートを選びました。

元々ビートメーカーに打ち直してもらう予定で、タイプビートを拾ってきて書き始めたんですが、僕自身トラップ系のサウンドが元々すごく好きなのと、のりやすくて自分の得意ジャンルでもあるので、それも選んだ理由の一つでした。

僕はビートに対するこだわりが強いんですよ。

楽曲においてビートも差別化できるポイントだと思っているので、耳に残る音だったり、「このビートやばいな」って思ってもらえたら、きっと何度も聴きたくなると思うんですよね。

だから毎回、ちょっと一味違うビートを選ぶようにしています。



B-FAMの名前の由来は「brother from another mother」


ーー「B-FAM」とはどのようなヒップホップクルーなのでしょうか?

Diva Wisteria:メンバーが5人で、ラッパーは僕とNSW yoon、あとはビートメーカーや映像ディレクター、デザイナーなどがいます。

みんな同い年のクリエイティブ集団みたいな感じです。


ーークルー結成の経緯を教えてください。

Diva Wisteria:活動を始めたのは、去年の8月ごろからで、NSW yoonとは、「パニック横浜」っていうライブハウスで初めて出会いました。

ライブのリハーサルをしている時に、NSW yoonから「楽曲かっこいいね」と声を掛けてくれて。

その後は一緒にスタジオに入って曲を作ったり、彼が日本に遊びに来るタイミングで何度か会ううちに、自然と仲も深まっていって。

ある日、NSW yoonがLINEで「こういうクリエイティブなことを一緒にやりたいんだけど、みんなでやろうよ」って呼びかけてくれたのがきっかけで、クルーが結成されました。

メンバーは韓国・大阪・東京とそれぞれ住んでいる場所もバラバラなので、今はLINEや電話で連絡を取り合いながら活動しています。



ーー「B-FAM」の名前の由来は?

Diva Wisteria:名前の由来は“brother from another mother”。

お母さんは違うけど兄弟だよみたいな感じですね。

この名前を決めるときは、1ヶ月くらいみんなでいろんな案を出し合って、「これもなんか違うな…」みたいなやりとりをずっと続けてたんですが、NSW yoonがふっと「B-FAM」って名前を出した瞬間、「それめっちゃいいやん!」って全員がしっくりきて、すぐに決まりました。


ーーコミュニケーションにおける言語の壁はどの様に克服されていますか?

Diva Wisteria:バイブスですね(笑)

僕、英語も韓国語もちゃんとは話せないので、難しい話になると翻訳アプリを使ってやり取りしています。

でもNSW yoonもすごく頭が良いので、僕らの片言の英語でもちゃんと汲み取ってくれるんですよ。

最終的な確認だけ通訳を使ったりしながら、コミュニケーションを取りつつ制作を進めています。



”全世界に届く音”の追求


ーーこれまでにも民族音楽のサンプリングや和楽器の使用など、ユニークで挑戦的な楽曲が多い印象です。

トラックを制作するうえで、どんなこだわりがありますか?

Diva Wisteria:僕の中で一番大きいのは、「音は世界共通」だと思うんですよ。

たとえば、日本語の歌詞がわからなくても、ビートがかっこよければ、海外の人とかでも「この曲、すごい」って感じてもらえるじゃないですか。

楽曲「Jaeger」でサンプリングした民族音楽とかもそうですけど、そういった多様な音を取り入れながら、“日本”という枠にとらわれず、世界に届くことを意識してビートを選んでいます。


ー世界的に見ても良い音の基準って何だと思いますか?

Diva Wisteria:僕の中での基準なんですけど、たとえば海外の曲って、英語がわからなくてもノリとか雰囲気で聴いてる人って多いと思うんですよね。

それの逆かなと思って。

日本語がわからない人でも、曲のフローやビートが良ければ「この曲ヤバい」って感じてもらえると思っています。


ートラックメーカーとの制作の進め方はどのようにしていますか?

Diva Wisteria:日本のビートメーカーの方と一緒にゼロから制作する時は、スタジオで直接作業するというよりも、まず僕からリファレンスになるような1曲を送って、そこから修正を重ねて、イメージに近づけていくという流れが多いです。

最近は、韓国のビートメーカーのビートを使わせてもらうことも多いのですが、韓国のスタジオに入ってゼロから一緒に制作した時は、リファレンスというより、「こういうムードで、こういう曲を作りたい」っていうイメージを通訳を通して伝えて、そこからある程度の形を作ってもらって。

そのうえで、自分の意見を出しながら一緒に修正して、仕上げていくというスタイルでした。


ー通訳を使っていると、ニュアンスが伝わりづらいなどの経験はありませんか?

Diva Wisteria:意外とそれが無いんですよ、不思議なんですけど。

韓国のクリエイターと一緒にスタジオに入って制作するときは、具体的な言葉がなくても「こういう感じの雰囲気でやりたい」っていうイメージを伝えると、ちゃんと意図が伝わって、それに合った音が返ってくるんですよ。

相手からも「こういう方向はどう?」って提案をもらえるので、そこでお互いに意見をぶつけ合いながら、試行錯誤して曲を作っていく感じですね。


ーー普段の楽曲制作のフローについても教えて下さい

Diva Wisteria:まず僕はビートを聴いて、いいのがあればそのビートを聴いて思い浮かべたテーマでリリックを書いていきます。

一方で、完全に1から作るとき──特に韓国のクリエイターとやるときは、先にこちらからテーマを伝えて、それをもとにビートを作ってもらいながら、意見を出し合ってフローを組み立てていきます。

その後、歌詞を書いて仮録りして、少しずつ形にしていくような流れで制作しています。


ーー韓国で行う制作において、日本との違いや印象的だったエピソードはありますか?

Diva Wisteria:制作の流れ自体は基本的に日本でも韓国でもあまり変わらないんですけど、一番驚いたのは“発音”の違いでした。

韓国語って、本当に発音がかっこよくて。

レコーディング中に画面に出る音声の波形の“弾け方”が、日本語とは全然違うんですよ。

見ていても、音が跳ねる感じがあって、「これ、英語っぽい発音に近いな」と思って。その響きのカッコよさには正直、衝撃を受けました。


それと、刺激的だったのがスタジオ環境の違いです。

韓国では、ラッパーやアーティストが“ひとり一部屋”くらいの感覚でスタジオを持っていて、あるいはふたりで一つの部屋をシェアして、月額でしっかり借りてるんですよ。

日本だと、そもそも若いアーティストが個人でスタジオを持っているケースは少ないし、そういう施設自体があまり整っていないので、「こういうカルチャーがあるんだ!」って本当に驚きました。

機材へのこだわりもすごくて、韓国のアーティストは最初からかなり投資して、いい機材を揃えてる印象です。

インターフェースやマイクなど、どれもハイレベルなものを使っていて、どこのスタジオに行っても環境がしっかり整っているのがすごいなと思いました。


ー海外でのライブでのエピソードはありますか?

Diva Wisteria:一個ちょっと面白い話があって。韓国でのライブ中にめちゃくちゃテンション上がっちゃって、「よっしゃ、かまそう!」みたいなノリになったんです(笑)。

そこの会場が観客との距離がめっちゃ近いタイプのステージで、そこで飛び跳ねすぎたせいで、ステージの板を破壊しちゃって……後で注意されました(笑)。

アドレナリン出過ぎました、ほんとすみませんって感じだったんですけど、今となってはめっちゃいい思い出ですね。



地元の愛を持ちながら世界へ羽ばたきたい


ー愛媛出身ですが現在は大阪在住とのことで、なぜ大阪に拠点を移したのですか?

Diva Wisteria:高校を卒業してから、音楽のことを学ぶ専門学校に通い始めたんですけど、自分がやりたかったジャンルとはちょっと違っていて。

ヒップホップが好きな人もあまりいなかったし、あんまり居心地がよくなかったんですよね。

その頃は、東京でのライブにもギャラなしで出ていて。

交通費も自分で出して、バイトしながら「出させてください!」って自分からお願いしてステージに立っていました。

そうやって動いているうちに、結局その専門学校もまったく続かなくて、たぶん1か月も通ってなかったと思います。

で、地元の愛媛と東京のちょうど真ん中あたりにある大阪が、移動もしやすくて便利だったということもあり、気づいたらなんとなくずっと大阪にいる、みたいな感じになってました。


ー2025年の目標を教えてください。

Diva Wisteria:今年中に、NSW yoonも連れてロンドンに行きたいと思ってるんです。

年末あたりに、現地のUKアーティストたちと一緒に制作ができたらと思っています。


ー将来的な目標、実現したいこと、夢などを教えて下さい

Diva Wisteria:世界中の人たちに、B-FAMを含めて「このアーティストすごくいいな」って思ってもらえるような存在になりたいと思っています。

B-FAMとして、もっと大きなステージに立っていきたいし、メンバーそれぞれにもそれぞれの夢があるので、みんなでその夢を叶えていけたらと思っています。

僕自身の目標としては、世界中で“名前が知られているアーティスト”になりたいって思っています。

それと同時に、地元・四国への想いも強くて。東京で活動している先輩たちが、ちゃんと「自分は四国出身です」って胸を張って言ってるのが、すごくかっこいいなって思うんです。

だから僕も、地元のことをちゃんと伝えながら、世界に向けて発信していけたらと思っています。に伝えていけたらなって思ってます。





Diva Wisteria(ディバ ウィステリア) Profile


低音かつ耳に残る声が特徴で変幻自在なフロウで乗りこなすラップスタイルのDiva Wisteria。

2003年生まれの愛媛県出身。

2022年にリリースした自身初の1stシングル『Jaeger』ではアフリカ系民族音楽とおぼしき歌を大胆にサンプリングしたDrillミュージックでインパクトを残し、翌年2023年にリリースした『Jaeger feat. 9for & TEITO』では横浜を拠点に活動しているアーティスト9forとTEITOをフューチャリングに向かい入れリリース。

また韓国のテレビ番組『SHOW ME THE MONEY11』にて活躍したアーティストNSW yoonと楽曲を制作し『GO FUSION』をリリース。

日本に留まらず海外アーティストとの制作も実現させた期待の若手アーティスト、今後の活躍にも目が離せない。



各SNS情報

Instagram:https://www.instagram.com/diva_wisteria?igsh=ZmxiMTYxN3k4a3Vy

楽曲配信:https://music.apple.com/jp/artist/diva-wisteria/160984482



BUZZチケ編集部注目ポイント

愛媛県出身の若手ラッパーDiva Wisteriaが、4月9日に新曲「GIFT」をリリース。

唯一無二のラップスタイルと音楽の審美眼で注目を集める彼が、楽曲に込めた想いや、韓国の人気ラッパーNSW yoonも所属する注目クルー「B-FAM」の結成秘話、今後の展望について語っています。