イベントレポ 2025年03月24日
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祝Zepp Nagoya20周年!シークレットゲストにBLUE ENCOUNTを迎え、04 Limited Sazabysがアニバーサリーをお祝い!
04 Limited Sazabys Zepp Nagoya BLUE ENCOUNT


2005年3月11日、名古屋最大規模のライブハウスとして誕生したZepp Nagoyaは、その後名古屋の音楽シーンで欠かせない存在となり、数々の伝説的なライブを生んできた。

Zeppという名前は飛行機の「ツェッペリン(Zeppelin)」に由来していて、ライブハウスシーンに衝撃を与えたことをよく覚えている人も多いだろう。2005年にZepp Nagoyaがオープンしたときも、その衝撃は大きかった。

そして20年が経った2025年3月11日、名古屋出身の04 Limited SazabysがZepp Nagoyaの20周年を祝うイベント「04 Limited Sazabys × Zepp Nagoya Happy 20th Anniversary」を開催した。このイベントでは、Zepp Nagoyaの20年の歴史を振り返り、名古屋の音楽シーンにおけるその重要な役割を再確認することができた。04 Limited Sazabysにとっても、地元のZeppで特別な夜を作り上げたことは、ファンにとって忘れられない思い出になったはずだ。


04 Limited Sazabys×シークレットゲスト


今や04 Limited Sazabysのお家芸ともいえる「MYSTERY TOUR」を彷彿とさせる完全シークレット形式にSNSでも会場でも様々な憶測の声が飛び交っていた。この光景もまさに「MYSTERY TOUR」を彷彿とさせる。Zepp Nagoyaの20周年、04 Limited Sazabysのワンマンライブでもドラマなんてあり過ぎるほどなのに、この日にシークレットゲストを迎える意味や意図は何なのだろう。そんなことを考えながら開演時間を待つ。

会場BGMはこの20年間を象徴するような名古屋出身のアーティストの楽曲が使用されている。そういうところが04 Limited Sazabysだと感じさせる。彼らが名古屋から東京に活動拠点を移して久しいが、地元を背負うということは決してそこに留まることではなく、地元を背負って活動すること。彼らはライブでも「名古屋の04 Limited Sazabysです」って言い続けている。地元をレペゼンするという意味を感じさせられる。



話を戻す。開演時間が近付き、シークレットゲストが誰なのか論争が隣でもその隣でも行われる中ステージに映し出されたのは「MYSTERY TOUR」のスクリーン映像。

しかし今日は「MYSTERY TOUR」でもないのにと観客の頭は混乱する。

「MYSTERY TOUR 2020」という文字とともに登場したのは、その当時のツアーのビジュアルキャラクター。そして今日は3月11日、場所はZepp Nagoya。全てを察したその瞬間フロアに鳴り響く「もっと光を」の歌声。その歌声を聴いた瞬間ファンの心には光が差し込んだ。

今から5年前、2020年3月11日。ときはコロナ禍真っ只中。「MYSTERY TOUR 2020」はそのツアー開催途中で中止を余儀なくされた。その日に出演する予定だったアーティストがBLUE ENCOUNTであったのだ。あの日の本人たちやファンが感じた悔しさが、5年経って「MYSTERY TOUR 2020」として回収されるというファンにとってはたまらないなんとも胸熱な展開。



まわりまわって重なり合った未来が今。時代をサバイブしてきたBLUE ENCOUNTと04 Limited Sazabysのそのサバイブの仕方。どんなときも支え合ってきた2組の絆が垣間見える。

傷跡は隠さない。絶望も武器にする。そうやって生きてきたバンドの強さ。


音楽に抱きしめられていると体全体で感じさせる。暗闇を溶かし希望を灯すバンド、BLUE ENCOUNT。3月11日という日に、2020年のあの日も、2025年の今日も、04 Limited SazabysがBLUE ENCOUNTを誘った意味がよく分かる。

5年前の3月11日、「守る」と決めた約束を果たしたBLUE ENCOUNTを鳴り止まない拍手が送られた。



続いて04 Limited Sazabysのステージ。2015年12月。今からちょうど10年前。シングル『TOY』を引っさげた「TOY tour 2015」のツアーファイナルで彼らは初のZepp Nagoyaワンマンを行った。

やはり名古屋のバンドマンにとってZepp Nagoyaは大きな目標として掲げる特別な場所。そのZepp Nagoyaで04 Limited Sazabysがワンマンを行ってソールドアウトさせたこと。それは名古屋のライブハウスシーンが大きく動いた瞬間でもあった。

04 Limited Sazabysにとって今では名古屋のホームとなったZepp Nagoyaの20周年を最高の形で祝福するべくステージに登場したGEN、HIROKAZ、RYU-TA、KOUHEI。

すっかり頼もしくなった4人の表情はファンの心を温かくした。

「いける?いける?」と何度もフロアに問いかけるGEN。けたたましくKOUHEIがドラムを叩きならすと「Squall」でライブはスタート。

Zepp Nagoyaが20周年を迎え、04 Limited Sazabysが初Zepp Nagoyaから10年経って、5年越しにBLUE ENCOUNTと「MYSTERY TOUR 2020」のリベンジを果たす。



出し惜しみゼロで必殺技を放ちまくる「Every」、泣く子も黙る伝家の宝刀「monolith」、GENとRYU-TAのツインボーカルが織り成す攻撃的アンセム「knife」と畳みかける4人。

名古屋を背負ってただひたすらに走り続けてきた04 Limited Sazabys にとってZepp Nagoyaももはや盟友。コロナ禍でもライブを愛し、ライブハウスを愛するものたちを守るため共に戦ってきた。

誰に何を言われたって音楽を信じ、仲間を信じ、ライブハウスを信じてやってきた、それが俺たちのモットー。という流れで「mottö」カヴァーも炸裂。JUDY AND MARYの「mottö」が完全フォーリミ流で届けられていく。



GENがMCの中でSNSでの発言に右からも左からも攻撃されたって話があったが、GENは、04 Limited Sazabysはいつだって前しか見ていないと感じさせる楽曲がファンたちを離さない一つの理由だろう。

この日は3月11日。あれから14年。当時の04 Limited Sazabysが無力だったとは思っていない。2011年に開催された東海地区から東北を支援する「LIVE UP TOKAI!!!!!」というイベントで「影響力が欲しいなんて思ったことなかったけど影響力が欲しい」とGENは話していた。

それは先輩バンドたちの東北への支援活動を見ていたからだろう。あれから14年経った3月11日。あの頃よりやれることが増えて、今こうやって3月11日にライブをしている4人の姿は、しっかり前に進んできたことを確信させた。


目下最新作の『MOON』より「magnet」、バンドが進化の真っ最中にあった時期の「Lost my way」、活動初期を代表する「Grasshopper」と20周年を迎えたZepp Nagoyaと歴史の見せ合いっこをするかのようなセットが続き、「kiki」で会場を沸かす。

究極のラブソング「Honey」から「milk」といったスイートな時間が流れ「hello」の合唱で涙する。そんな光景に身を委ねながら「Harvest」を奏でる4人の姿にファンは涙腺を緩ませた。転がって夢は続いていく、未完成で不安定でだから人生は面白い。本編ラストで立て続けに披露した「Terminal」「Just」はファンたちに新たな未来を見せた。



アンコールの1曲目は「Buster call」だった。それはファンにある瞬間を思い出させる。

2015年、04 Limited Sazabysが初めてZepp Nagoyaに立ったあの日のアンコールも「Buster call」であったのだ。あれから10年経って、Zepp Nagoyaが20周年というメモリアルな日を迎え、04 Limited Sazabysが「Buster call」を歌う。これってもう名古屋のライブハウスシーンのこの20年間の財産と言えよう。

そしてそれだけで終わらないのが04 Limited Sazabys。最後の最後は名古屋ライブハウスアンセム「758」を叩きつけてZepp Nagoyaの20周年を盛大に祝ったのだった。

色んな偶然や奇跡が重なって迎えた2025年3月11日「04 Limited Sazabys × Zepp Nagoya Happy 20th Anniversary」。決して風化させてはいけないし、忘れてはいけない日だけれど、今を生きている僕たちはそこに新たなハッピーを書き足していくことは出来るはずだ。3月11日、Zepp Nagoyaの誕生日。


祝いの場を用意した04 Limited Sazabysは間違いなくライブハウスのヒーローだ。



BUZZチケ編集部注目ポイント

Zepp Nagoyaの20周年を記念し、地元出身の04 Limited Sazabysがワンマンライブを開催し、シークレットゲストにBLUE ENCOUNTを迎えてコロナ禍で中止となった「MYSTERY TOUR 2020」の再演も実現。

地元への愛と音楽の絆が詰まった一夜は、名古屋ライブシーンの歴史と未来を繋ぐ特別な時間となった。