イベント 2025年08月01日
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9名のアーティストによる、17点の飾れる骨壺の展示・販売を行うアートフェア「A・LIFE・FROM・DEATH ― 死を日常に取り戻す、アートとしての骨壺展 ―」
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9名のアーティストが新たに制作した骨壺の展示・販売を行うアートフェア「A・LIFE・FROM・DEATH ― 死を日常に取り戻す、アートとしての骨壺展 ―」が、8月6日(水)から8月15日(金)の期間で愛知県名古屋市にあるギャラリー「Blackbird Gallery」で初開催される。また、9月10日(水)から9月16日(火)の期間では、東京都渋谷区にある「AFRODE CLINIC」でも開催。本展示は三和物産株式会社(本社:石川県金沢市 代表取締役:⻄河誠人)が企画している。


かつての日本は、家々に仏間があり、日々の暮らしの中で先祖や亡き人に思いを馳せる習慣があった。しかし、近年はそうした空間を持たない住宅も増えたほか、生活様式や家族のあり方も大きく変化した。暮らしの中で、「死」と向き合う機会は少しずつ失われつつある。


そうした現状に訴えるべく、「死を感じる場を日常へ」というコンセプトのアートフェアとして企画されたのが本展「A・LIFE・FROM・DEATH ― 死を日常に取り戻す、アートとしての骨壺展 ―」だ。葬祭用品メーカーの三和物産と、工芸をアートとして提案するB-OWNDが共同開催する。国内外で高い評価を得る9名のアーティストが「骨壺」をテーマに制作した、17点のアート作品が展示・販売される予定だ。


骨壺は一般的に「特別な場所に置くもの」「日常とは距離のある存在」と捉えられることが多い。本展では、単なる「遺骨を納めるための葬祭用品」という意味や機能を超越した、アート作品としての「新しい骨壺」のあり方を提案する。仏間に限らず、リビングや書斎にも馴染む佇まいを備えた骨壺は、鑑賞者に「死」と向き合う時間を生み出し、そして、今を前向きに生きることへの意識を促す。日々の暮らしを豊かに彩る「鑑賞対象」として骨壺を身近に置くことで、生活に新しい風を吹かせることができそうだ。


会場ではこれらの骨壺の展示・販売に加え、硯刻家・名倉達了による遺書をしたためるインスタレーションの展示や、三和物産のオリジナル棺「桜風」の展示・入棺体験も行われる。


出展作家や作品の詳細は、B-OWND公式ウェブサイトおよびSNSにて順次公開予定。これまでにないアートな骨壺が揃う展示に、目が離せない。




開催概要


【名古屋会場】

会期:2025年8月6日(水)〜8月15日(金)

会場:Blackbird Gallery(〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄二丁目1-30)

時間:平日 11:00〜18:00|土日 11:00〜20:00


【東京会場】

会期:2025年9月10日(水)〜9月16日(火)

会場:AFRODE CLINIC(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前三丁目5-7 BASE神宮前B1)

営業時間:10:00〜19:00

主催:三和物産株式会社

共催:B-OWND

入場:無料

お問い合わせ: B-OWND事務局(info@b-ownd.com)




出展アーティストおよび出展作品


酒井智也|陶芸家


1987年愛知県出身。2015年名古屋芸術大学・陶芸コース卒業。2019年多治見市陶磁器意匠研究所修了後、愛知県瀬戸市にて活動。まるで瞑想するかのように無心になってロクロと向き合い、 ふいに思い浮かんだイメージを作品のパーツとして作る。それらを今度は、意識的に再構築することによって作品を完成させる。知らず知らずのうちに意識の底に沈んでしまった、本当は大切だったはずの記憶を、作品として生みなおしている。


出展作品:Heritage series 2025 骨壺「始まりの器」



氏家昂大|陶芸家


1990年宮城県生まれ。東北芸術工科大学大学院 芸術文化専攻工芸研究領域修了。2014年より定期的に個展を開催。ほか百貨店やギャラリーを中心に多数のグループ展に参加している。2022年より、岐阜県多治見市にて活動している。作品は、いびつな形、凹凸に富んだ表面、毛細血管のように張り巡らされた鮮やかな色漆が特徴的。 多様性の受容が叫ばれる現代において、「端正」とは異なる「不完全な美」をありありと提示することで、自らの生きざまを表現している。


出展作品:織部漆朱塗交白釉骨壺Circle



井上祐希|陶芸家


1988年、佐賀県有田町に井上萬二の孫として生まれる。2011年玉川大学芸術学部卒業。人間国宝を有する有田焼・萬二窯の三代目。筆を自由に振り動かすことで、荒々しくも絶妙な表現を楽しむ「釉滴(ゆうてき)」と呼ばれる技法を用いて作品を制作する。これは、偶然性・即興性を楽しむ、ストリートカルチャーに影響を受けたものであり、現代的な感覚で生み出される作風が、若者を中心に人気を集めている。


出展作品:染釉滴骨壺


横山玄太郎|陶芸家


アメリカ留学中に陶芸に出会った横山玄太郎は、造形の美しさや正確性よりも、発想力を磨く教育環境の中で制作に取り組んできた。 そこでは、意外性のあるオリジナルな作品が求められていたため、陶芸の素材を使いながらも、ごく自然にアート性の強い作品を生み出してきた。 弾力を想像させるような造形、歩くようなそぶりを見せるステム、リズムを感じさせる水玉。ときに重力に従い、ときにそれに反するかのような表現によって、横山の作品には、陶芸らしからぬ「動き」が生み出されている。


出展作品:時(トキ)


市川透|陶芸家


熱い血が流れるような赤。スタイリッシュでメタリックな黒や金銀の光彩。その圧倒的な存在感から響いてくるのは、さながら〝自由への咆哮〟である。市川透は、備前焼をこれまで囚われてきた概念から、強烈な躍動美をもって、現代の社会と暮らしへ解放している。 市川は、生と死の緊張感を見据えることで、なにものにも束縛されない自由な魂を獲得してきた。自由であることの心地よさと力強さ。生きているということの熱と気高さが、私たちの前に強烈なインパクトをもって現れる。


出展作品:虹の橋


野田ジャスミン|陶芸家


1996年タイ生まれ。工芸は「使える」という特性を持つことによって、純粋なアートとして表現の評価がないがしろにされているのではないか。野田ジャスミンは、あくまで道具であることが工芸性であるとして、その工芸性を担保するため、器の形で作品を制作している。その一方で、いかにその役割を解放し、純粋に鑑賞の対象となる作品を制作できるか、その表現を探し求めている。


出展作品:ghost _ prism star # 01


ノグチミエコ|ガラス・アーティスト


神奈川県出身。武蔵野美大で学んだ後、横浜硝子にて研鑽を積み、2004年ガラス工房FUSION FACTORYを設立。国内外における個展を多数開催。TOYOTAをはじめとした企業やシルクドソレイユなど世界的な団体の記念作品制作。また、5つ星ホテルFairmont Jakarta のガラスアート回廊などを創作。2018年、日・アセアン友好協力45 周年記念日本代表作品をアセアンギャラリーに収蔵。2019年には日本代表作品としてカタール国王に作品が寄贈される。2018年第4回アジアコスモポリタン賞、文化賞受賞など賞多数。


出展作品:Fantasy Universe 時空


桝本桂子|陶芸家


1982年、兵庫県生まれ。京都市立芸術大学大学院修士課程陶磁器専攻修了。2010年、米フィラデルフィア芸術大学ゲストアーティスト。2013年、ヴィクトリア&アルバート博物館(イギリス)レジデンスプログラムアーティスト。桝本は、見るものをあっと驚かせる器を制作する若手陶芸家。伝統的な陶芸の素材・技法を用いつつも、立体作品としての面白さを追求している。意図するのは、親しみあるモチーフを扱いつつも、鑑賞者に新鮮な驚きを与えること。スペースシャトルなどの人工物から、動物、魚、植物など、様々なモチーフを「器」と一体化させる自由な発想と表現力は、まさに圧巻。陶芸という枠を軽々と飛び越えるような思い切りの良さと、趣向を凝らしたユーモアに満ちた作品は、多くの話題を集めている。


出展作品:本/壺


高橋奈己|陶芸家


東京都生まれ。果実やつぼみなど、自然が生み出すアシンメトリー(非対称)な造形の美しさに魅せられて以降、継続してそれらをモチーフに作品を制作している。理想の造形を創るために、モチーフである非対称な形の「果実」を抽象化し、磁土で複雑な形を作り上げることができる「鋳込み」という技法を用いる。清らかで優美な品格をもつ作品には、国内外から熱い視線が注がれている。


出展作品:実り



<インスタレーション展示について>

どこか懐かしい想いを抱かせる墨の香りと蛍の儚く朧げな光の軌跡。線と滲みで想いを文字として紡ぐ書の世界観。展示会場では、硯刻家・名倉 達了氏による、遺書をしたためるインスタレーションの展示を行う。


名倉 達了|硯刻家 ※インスタレーション展示のみ


愛知県新城市の鳳鳴堂硯舗の6代目として生まれ、2011年に東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了しました。同年に発生した東日本大震災とそれに伴う原発事故を契機として、主に石を用いたミニマルな作品を展開すると共に、受け継がれる制硯技術と向き合うようになりました。現在は作家活動と共に、静岡大学で石を素材とした現代の造形芸術についての研究、後進の指導にも従事し、幅広く活動。


<オリジナル棺「桜風」の展示について

展示会場では、三和物産のオリジナル棺「桜風」の展示と、靴を履いたままでも棺に入っていただける「入棺体験」企画を実施。


“故人らしい葬儀”を叶えることを目指して開発されたオリジナル棺。従来の棺が中性的なデザインが主流であるのに対し、桜風は「散り際の桜」と「人生の儚さ」を重ねている。美しく上品な女性の人生棺がに表現されている。流れるような曲線を取り入れた形状は、水や風といった自然の流れや、季節の移り変わりを感じさせる。また、展示には、仏衣や骨壺でも同じテイストの作品が用意されている。


三和物産について

「つながりが実感できる新たな別れのカタチをつくる」をミッションに掲げる葬祭用品メーカー。死や別れがタブー視される傾向にある日本の現状に対して「死生観のリデザイン」を掲げ、「死から生をポジティブに考えてもいい社会」をつくることを目指す。



社名:三和物産株式会社

事業内容:葬祭用品の製造販売

代表者:西河誠人(代表取締役)

本社所在地:〒920-0031 石川県金沢市広岡3丁目1番1号金沢パークビル9F(金沢本社)

支社:東京支店、大阪支店、福岡支店、名古屋工場、神奈川工場、札幌営業所

創業:1959年4月9日