「西山ダディダディ」の元ネタ?一度聴いたら離れない中毒性の正体を考察
インターネットの海に突如として現れ、瞬く間に世界を席巻した「コール芸」がある。
それが「西山ダディダディ」だ。
一度聞いたら頭から離れない奇妙な響き、一度見たら脳裏に焼き付く独特のダンス、そして一度触れたら病みつきになる謎の中毒性。夜の飲食店から生まれたこのコール芸は、なぜこれほど多くの人々を惹きつけ、バイラルヒットを記録しているのか、その止まらない魅力の秘密を徹底的に解き明かしていく。
西山ダディダディとは?:六本木発の「コール芸」
引用元:TikTok「ギフト六本木」
「西山ダディダディ」は、東京都港区六本木にあるバー「ギフト六本木」の男性スタッフが、客を楽しませるために行う「掛け声と振付」である。いわば、夜の飲食店で盛り上がるために生まれた日本生まれの「コール芸」が、インターネットという舞台で再定義され、世界へと羽ばたいた形だ。
引用元:YouTube「ギフト六本木」
このコール芸は、複数人による「西山ダディダディ どすこいわっしょい ピーポーピーポー」というコールに合わせて、スタッフの一人である「ダディ社長」が中心となり、独特の振付で踊るものだ。
このフレーズはひたすら繰り返されるのみであり、その構造はまるでお笑いのリズムネタに近い。明確なストーリーやメッセージ性を持たないがゆえに、国境や言語の壁を越えて感覚的に楽しめるコンテンツとして認識されている。
西山ダディダディのダンスと曲の秘密:強烈な中毒性
引用元:TikTok「ギフト六本木」
「西山ダディダディ」が単なるフレーズに終わらず、社会現象にまでなったのは、それに付随するダンスと曲の存在が不可欠だ。これらが一体となることで、西山ダディダディは視聴者の心を掴み、熱狂的な支持を得ることになった。
脳裏に焼き付く“PPAP風振付”とユニークなダンス
「西山ダディダディ」のダンスは、驚くほどシンプルでありながら、強烈な個性を放つ。
その振付は、ダディ社長が胸を張り両腕をV字に曲げて小刻みにリズムを取る、ピコ太郎「PPAP」を彷彿とさせる振り付けで幕を開け、そこから展開されていく。
引用元:YouTube「PIKOTAROピコ太郎OFFICIAL CHANNEL」
この導入部分からすでに、見る者に既視感と奇妙な期待感を抱かせる。そこから、両腕を上下に半回転させたり、腰を突き出しながら踊ったり、ユニークかつ陽気な動きが続いていく。
このダンスの特徴は、その反復性にある。同じような動きが何度も繰り返されることで、見る者の脳裏に深く刻み込まれ、一度見たら忘れられない印象を与える。そして、そのシンプルな動きの繰り返しが、人々を魅了し、一緒に体を動かしたくなる衝動に駆り立てるのだ。
TikTokなどのショート動画プラットフォームでは、この模倣のしやすさが爆発的な拡散に繋がり、ユーザーが自分の個性を加えながらダンスをアレンジする二次創作も数多く生み出された。老若男女問わず、誰もが気軽に参加できる間口の広さが、西山ダディダディダンスを国民的なダンスへと押し上げたと言えるだろう。
耳から離れない魔性のコールと歌詞:ひたすら繰り返される中毒性
「西山ダディダディ」のダンスをさらに魅力的にしているのが、耳から離れない魔性のコールと歌詞である。
歌詞はひたすら「西山ダディダディ どすこいわっしょい ピーポーピーポー」と繰り返されるのみだ。この極端な繰り返しが、耳に残る最大の要因であり、中毒性を高めている。
楽曲のリズム、コールの内容、振り付け、全体のノリ、そしてダディ社長の表情まで、すべてが完璧に調和しているからこそ、強烈な中毒性を生み出している。この中毒性のある曲と、シンプルで真似しやすいダンスが相乗効果を生み出し、西山ダディダディを止まらないムーブメントへと押し上げたのである。
西山ダディダディの元ネタ・本家は?「竹内ダディダディ」をアレンジ
@hirocho84@seriese353 さんへの返信
♬ オリジナル楽曲 – ヒロチョ – ひろちょ🥺
「西山ダディダディ」という「コール芸」を探ると、その元ネタに辿り着く。それは、2020年頃にTikTokで大きな流行を見せた「竹内ダディダディ」だ。竹内ダディダディは、TikTokユーザーのひろちょ(@hirocho84)さんが投稿した、わずか8秒ほどの動画である。
竹内ダディダディの掛け声は「竹内ダディダディ どすこいわっしょい ピーポーピーポー」という内容で、胸を張り、腕をV字に曲げてリズムを取る動きが特徴だった。これはまさに、西山ダディダディがこのスタイルを参考にしていることをはっきりと示している。
現にダディ社長も、「西山ダディダディ」の誕生秘話について下記のように語っている。
当時TikTok界隈では、〈竹内ダディダディ〉がバズっていました。僕ら飲み屋業界でもコールを盛り上げるネタになっていて、私は名字が“西山”なので《竹内》を《西山》に置き換えて、アレンジし、スタッフがコールをふるたびに、ただグラスを空けるだけでなく、体を使って“ニシヤマダディダディ”を全力で踊りました。
(引用元:LIVE TIME独占インタビュー)
この様子を、たまたま従業員が撮影し、5年前にTikTokへ投稿した動画が一度バズったことがきっかけとなった。ダディ社長は以来、コールが入るたびに同じパフォーマンスを継続し、それが今年、世界からも注目を浴びる存在へと成長したのだ。
西山ダディダディはなぜブレイクしたのか?:世界を席巻する日本発「リズムネタ」
引用元:TikTok「ギフト六本木」
「西山ダディダディ」が単なる流行に終わらず、社会現象とまで言われるほどの広がりを見せたのは、単一の要因ではなく、いくつかの要素が複雑に絡み合い、相乗効果を生み出した結果である。そのブレイクの要因を多角的に分析してみよう。
1. 誰もが「できる」間口の広さ:参加型コンテンツの勝利
現代のインターネットユーザーは、ただコンテンツを消費するだけでなく、自分も参加したいという欲求が強い。「西山ダディダディ」は、その欲求を完璧に満たしたコンテンツと言える。
ダンスはシンプルで真似しやすい。曲も覚えやすく、歌詞も意味を深く考える必要がない。この敷居の低さが、老若男女問わず、誰もが気軽に参加できる環境を作り出したのだ。
@nona_avantgardeydaddy daddy moves!!🤣🤣🤣 @アバンギャルディ avantgardey #avantgardey #アバンギャルディ #trending #trendingreels #fyp #西山ダディダディ #daddydaddy
♬ オリジナル楽曲 – nona – nona
また、スマートフォン一つあれば、誰でも簡単に動画を撮影し、編集し、世界中に発信できることもブレイクを後押した。
西山ダディダディのダンスは、短尺動画のフォーマットに完璧にフィット。ユーザーが自分の個性を加えながら模倣するチャレンジ動画が次々と生まれ、爆発的な拡散を生み出したのだ。人気ダンスユニット「アバンギャルディ」のメンバー、nonaらが動画を投稿したことも、その拡散に拍車をかけた。
2. 強烈な中毒性:耳と目に焼き付く魔力
「西山ダディダディ」の曲とダンスは、一度触れたら忘れられないほどの中毒性を持っている。繰り返されるフレーズと動きは、脳裏に残り、無意識のうちに口ずさんだり、体を動かしたりしてしまう。この中毒性こそが、ユーザーが繰り返し動画を視聴し、共有し、二次創作を生み出す原動力となった。
この中毒性は、楽曲のミニマルな構成と、意味不明な歌詞によって増幅されている。意味がないからこそ、頭の中で繰り返し再生され、不思議な魅力を放つ。また、ダディ社長の表情を含め、ダンスの独特なシュールさも、見る者に強烈なインパクトを与え、記憶に深く刻み込まれる要因となっている。
3. シュールな面白さ:日本発「リズムネタ」の普遍性
「西山ダディダディ」は、その意味不明さゆえに、独特の「シュールな面白さ」を醸し出している。明確な意味を持たないフレーズと、一見すると何の脈絡もないようなダンスの組み合わせは、見る者に奇妙な感覚を与える。
しかし、この「意味不明」であることが、かえって人々の想像力を刺激し、それぞれが独自の解釈を生み出す余地を与えているのだ。この構造は、まさにお笑いの「リズムネタ」に近いと言えるだろう。
4. 陽気さと脱力感:現代社会のストレスからの解放
西山ダディダディの魅力は、何と言ってもその底抜けに明るい雰囲気にある。例えば、少し嫌な出来事があった日でも、西山ダディダディの動画を目にすれば、気分が晴れて一気に楽しい気持ちになれるのだ。
さらに、コール内容や振付だけでなく、テンション感も抜群である。
現代社会は、情報過多でストレスの多い時代だ。そんな中で、「西山ダディダディ」は、深い意味を考える必要もなく、ただその奇妙な世界に身を任せることで、日常のストレスから一時的に解放される感覚を提供してくれる。
この肩の力が抜けるような感覚は、多くの人々にとって心地よいものであり、繰り返し「西山ダディダディ」の世界に浸る理由となっている。意味を求めないからこそ、純粋に楽しむことができるのだ。
まとめ:西山ダディダディはなぜ止まらないのか?
引用元:TikTok「ギフト六本木」
「西山ダディダディ」は、ギフト六本木から生まれた日本発の「コール芸」が、元ネタである「竹内ダディダディ」の魅力を継承しつつ、独自の進化を遂げたものである。奇妙な響き、中毒性のあるダンスと曲、そして誰もが参加できる敷居の低さによって、多くの人々を魅了し続けている。
西山ダディダディが止まらないのは、私たち現代人が求める「気軽に楽しめる」「共感できる」「参加できる」というエンターテインメントの本質を、シンプルかつ強烈な形で体現しているからだ。
さあ、あなたも「西山ダディダディ」の世界へ飛び込んでみないか?その奇妙な魅力の虜になることは、もはや避けられない運命かもしれない。
BUZZチケ編集部注目ポイント
TikTokで大流行した「西山ダディダディ」を徹底解説した今回。
流行の理由はしっかりと存在していた。