人気ダンスユニット「ももぞう」が第6期BUZZメインアンバサダーに就任!ダンスへの向き合い方や今後の展望など、1時間にわたる濃厚インタビューで深掘り!!
文 sally
写真 JET
ダンスユニット「ももぞう」とは?
ももぞうは、ダンサー・振付師として活躍するMomoca.とRIKAZOによるダンスユニット。息の合った“ペア振り”が人気を集め、昨年は全国5都市を巡るワークショップツアーも成功を収めた。
それぞれ異なるダンスジャンルを得意とする2人だが、2人で1つの空気を纏うような、唯一無二の世界観が魅力。ジャンルの壁を超えて生み出される、その表現力に多くのファンが惹きつけられている。
そんな「ももぞう」が、このたび第6期のBUZZメインアンバサダーに就任!
ユニットとしての活動はもちろん、2人がどのようなダンスと共に歩んできたのか――。
普段はなかなか聞けない、貴重な話をたっぷりと聞かせてもらった。
ーーももぞうはどのようなダンスユニットでしょうか?
RIKAZO:やっぱり一番の強みは「ペア振り」だと思っています。
TikTokを通じてたくさんの方に踊っていただいているのですが、真似したくなるようなキャッチーさや、2人の持つ独特の空気感を魅力に感じてもらえているのかなと思います。
ーーももぞうとしては具体的にどのような活動をされていますか?
Momoca.:基本的には全国各地でのワークショップだったり、ダンスイベントに出たり、メディアのお仕事もさせていただいたりしています。
去年ぐらいから、高校の部活とか大学のサークルとかでもワークショップをやったりもしています。
RIKAZO:昨年、27時間テレビ内の企画「カギダンススタジアム」で行われた高校生によるダンスバトルにおいて、作品中のペア振り付けパートをももぞうが担当させていただきました。
ーージャンル感には縛りなどあったりするのでしょうか?
Momoca.:縛りはないけど、ももぞうだったらこういう感じの曲だよねっていう認識が結構あると思います。どちらかというとポップな感じの曲が多いかな?
RIKAZO:自分達のダンスのスキルを詰め込めるとかっていうよりかは、今見てくれる人がどういう曲で踊ってたら楽しいって思ってもらえるかを常に意識して作っています。
Momoca.:なのでダンスをやってない人にも分かりやすいような曲とかジャンルを意識して選んでいます。
RIKAZO:ダンスをしていない方にも楽しんでもらうということを念頭に置きながら、ダンサーだから出来る音の取り方をしたり、TikTokっぽい振りだけではなく、歌詞の表現の仕方を取り入れていける曲を選んでいます。
ーー使用する楽曲は、アーティストで言うとどの方が多いですか?
Momoca.:よく使うっていうか、ももぞうにあってるねって話してたのは「和ぬか」さん。
ももぞうの結成するきっかけになった曲が「和ぬか」さんの曲ということもあって、結構個人的にはハマる感じがしています。
ーーももぞうの活動の中で特に印象に残っているものはありますか?
RIKAZO:先ほどお話しした「カギダンススタジアム」の振り付けのお仕事もそうですが、昨年は、ももぞうの活動3周年を記念して、初めて自分たちでワークショップツアーを企画・運営し、全国5都市を回りました。すべてを2人で完結させて走り切ったことで、大きなやりがいを感じました。
各都市で約30人、合計で200人近い方が足を運んでくださって、これまで地方で単発のワークショップはあったものの、ツアー形式で行ったことで、どの都市にも共通した一体感が生まれ、とても楽しい経験になりました。
ーー地方でもワークショップができるダンサーはそこまで数が多くないと思うのですが、集客の部分を解決できた理由は何だと思いますか?
RIKAZO:SNSの力だと思います。
Momoca.:やっぱり、TikTokで知ってもらうことが一番多いですね。TikTokで私たちのことを知って、そこからInstagramに飛んできてくれた子たちが「ワークショップやるんだ!」って知って参加してくれるパターンが多いと感じます。
ーーももぞうを結成したきっかけについて教えてください。
Momoca.:きっかけはたまたま踊ろうって言って踊ったペア振りの動画がTikTokでバズったことですかね(笑)じゃあもうちょっとやるー?みたいな感じになって。
別にチームでやっていこうっていう話になった訳でもなく、ずっと一緒に踊ってたらチームになったっていう感じですかね。
ーーももぞうはどのようなことを実現するために結成されたユニットなのでしょうか?
RIKAZO:個人ではできないことが、2人だからこそできるなと感じています。ももぞうのダンスのルーツ自体は特にももぞうらしいものではなくて、一歩ユニットの外に出れば、それぞれまったく違うスタイルで踊っているんです。だからこそ、「2人だからこその良さ」があると思っていて。
ダンサーという枠にとらわれず、もっと広いフィールドで活動できる可能性が、ももぞうにはあるんじゃないかと感じていて、最近はそれを形にするために、さまざまな角度からアプローチを続けています。
ーー個人でできないことをやるという意味ではクルーという形もあったと思うのですが、2人(ペア)にこだわった理由はありますか?
Momoca.:もともと普通に仲が良くて、一緒に踊る中で自然と“ももぞう”ができ上がっていった感じなので、「誰かを入れよう」なんて話になったこともなくて。私にとっては、2人でやるのが当たり前っていう感覚でした(笑)。
ーー先ほど、ダンスのルーツが違うとおっしゃっていましたが、お二人がもともとやっていたダンスのジャンルは何だったのでしょうか?また、そのとき習っていた先生などについても教えてください。
RIKAZO:自分は、始めは地元のダンススクールで、ずっとヒップホップと基礎(ベーシック)を中心に学んでいました。お世話になった方は本当に沢山いるのですが、今のスタイルに影響を大きく与えている存在でいうと、GANMIのSotaさんとkooouyaさんですね。
Momoca.:私は上京して来る前は地元のスクールで、ミドル系のオールドスクールっぽいヒップホップを踊ってたんですけど、東京に来てから行き始めたのがAkanecchiさんです。
ーーBUZZスタジオの利用者の方は初心者の方も多くいらっしゃるのですが、ダンスを始めたばかりの人に伝えたいことはありますか?
RIKAZO:とにかく基礎を鍛えた方がいいっていう一言に尽きるかなと思いますね。
最近TikTokの影響もあり、振り付けを覚えることからダンスが始まることが多かったり、振り付けがメインのレッスンも増えてきています。
でもダンスをする上でのリズムキープだったり、アイソレだったり、もっと言えば体幹があるとか、そういうところがあると表現できる幅がすごく変わってくると思います。
振り付けを踊る上で注意点や気をつけた方が良いところはいっぱいあると思いますけど、一周回って基礎をしっかりやることが大事だなと思います。
Momoca.:私もまったく同じで、「まずは基礎をしっかりやってほしい」と伝えたいですね。私もりかさん(RIKAZO)も、最初にきちんと基礎をやってから振り付けに進んできたので、やっぱり基礎をやってる人とやってない人の違いは、先生という立場になってから特に感じるようになりました。
外側の動きがどれだけ派手でも、内側がしっかりしていないと、ダンスとしての深みが出ないと思うんです。
見てもらいたい、注目されたいという気持ちがあるからこそ、しっかりとした基礎がある人の方が、自然と惹きつけられるんじゃないかなって思います。
RIKAZO:踊りたいと思う振り付けも、突き詰めればすべて基礎の組み合わせなんですよね。
たとえば「ヒットをバチバチに打てるようになりたい」と思っても、その動きを支える筋肉がどこから来るのかを理解していないと、うまくいかない。
「滑らかに踊りたい」と思ったときも、体のどこをどう使えばいいのかを分かっているかどうかで、表現の仕方がまったく変わってきます。
だからこそ、「基礎は振り付けをより上手に見せるための要素なんだ」と捉えることが大事だと思います。
基礎って聞くとネガティブなイメージを持ってしまう人もいるかもしれませんが、自分がやりたい振り付けにちゃんと還元されていくものだと意識しながら取り組むと、前向きに続けられるんじゃないかなと思います。
ーー振り付けを覚えるのが苦手な人へのアドバイスはありますか?
Momoca.:これは1人で練習する時にやっていた方法の1つなんですけど、1つの振り付けを覚える時に時間を決めてあげることですね。例えば、この振りを1時間以内に覚えようってなった時に、その時間内に覚える感じです。その時間をどんどん短くしていくことによって、抑えなきゃいけないポイントを見つける速度が速くなるかなって思います。
自分は元々地方に住んでたからレッスンが受けれない状況にあって、だからこそ家でできることってなんだろうって考えた時にそれをやってたおかげで、東京のレッスンに行った時でも先生のどういう部分を見たら振りを覚えやすいのかを考えなくても結構スッと入ってくるようになりました。
個人差はあると思うんですけど、自分にはそれが合ってましたね。
RIKAZO:Momoca.と似たようなことをやっていた時期もあるんですけど、あえて違う視点で言うと、「音楽と振り付けのすり合わせ」がどれだけできるかが、振り覚えを早くするコツだと思っています。
たとえば振り付けを「Aの動きの次にBが来る」っていうふうに流れだけで覚えてしまうと、Aが曖昧になったときにBまで出てこなくなっちゃうことがあるんですよね。
でも、「Aの動きはこの音を取っていて、Bはこの音を取っている」っていうふうに音とのリンクまで意識して覚えていれば、仮にAを忘れてしまっても、音をきっかけにBを思い出すことができる。
だから、振り付けを流れだけで覚えるのではなくて、「この音に対してこの動きがある」っていうすり合わせを、レッスンでも自主練でも意識するといいと思います。その感覚が早くつかめるようになると、結果的に振り覚えも早くなってくると思います。
ーー初心者でも取り入れやすい音楽やダンスジャンルはありますか?
Momoca.:音楽はリズムが不規則なやつは結構難しいと思うから、BPMが固定されている曲がいいと思います。
RIKAZO:あとは日本人であれば、日本語の歌詞とかっていうのがイメージが湧きやすいのかなと思います。「こういう歌詞だからこういう振りなんだ!」みたいに思えるような曲だったり。
ーーこれからダンスを始める人に一言メッセージをいただけますか?
Momoca.:ダンスって、どんなジャンルであっても自分の感情や気持ちがすごく表れるものだと思うんです。だからこそ、「自分の気持ちを表現する」という意味でも、まずは“ダンスを楽しむ”ということを基本にしてほしいなと思います。
どんなにテクニックがあっても、楽しそうに踊っていない人より、まだ始めたばかりでスキルがそこまでなくても、本気でダンスを楽しんでいる人のほうが、自然と目を引くんですよね。
なので、まずはとにかくダンスを楽しんでください!
RIKAZO:これは2人でこの質問を見た時に「楽しむことじゃない?」って最初に出てきたので、満場一致の意見です(笑)
ーーダンスの魅せ方で意識していることはありますか?
Momoca.:私はガールズなど、女性らしさを意識したジャンルを踊ることが多いのですが、どんなスタイルで踊るときも「自分のシルエットを一番きれいに見せること」を大切にしています。
たとえば首の角度ひとつで印象はまったく変わりますし、指先にもすごく女性らしさが表れると思っていて。
特に顔まわりに手がくる振りのときに、指先に力が入っていないと、それだけで表情の印象まで弱くなってしまうんです。
私は「360度どの角度から見られても美しい人でありたい」と思っているので、そういう細部まで常に意識して踊るようにしています。
RIKAZO:自分は緩急を意識して踊ってます。
例えば「ここの胸のアイソレみんなより出てるよね」とかはダンスをしない人は分からないと思うので、パッて見た時のサプライズ感というか。例えば、クッて止まった時に見てる人も一緒に息を呑む感じとか、そういう見てる人の感情を緩急で操作するみたいな感じがあったら印象に残るかなと思うので、緩急をどうつけるかっていうのは意識してます。
ーーペアダンスという形で表現することの魅力と難しさについて教えてください。
Momoca.:最近よく話してるのは、これはもうダンスのスキルとか関係ないんですけど、身長ってすごい大事だよねって。うちらはこの身長差がベスト。あんまり身長差があるわけでもないし、でもりかさん(RIKAZO)の方がちょっと大きくて。
RIKAZO:自分でどうにかできる話じゃないんですけどね(笑)
みんなが意識できることでいうと、距離感とか。
Momoca.:やっぱりペア振りを初めてやるときって、「恥ずかしい」って気持ちが出ちゃう子が多いと思うんです。
たとえば、相手に触れる振りがあるときに、その照れが原因で少し距離が空いちゃうことがある。でも、ほんの少し空間ができるだけでも、見ている側には違和感として伝わってしまうんですよね。
だからこそ、触るところはちゃんと触る。「ちゃんと触っている」というのが見ている人に伝わることが大事だと思います。
あとは、目線が少し合っているだけでも、その瞬間だけの空気感が生まれて、それが観ている人にもしっかり届く。
そういった細かい部分を大切にすることが、ペア振りではとても重要なんじゃないかなと思います。
RIKAZO:なんか2人で1個の空気を纏える感じがすごくいいなと思います。
ーーそれを実現するために、お2人の中で大切にしていることはありますか?
Momoca.:もう、ももぞうも結成から4周年になるので、価値観というか、「この曲でやろう」ってなったときのざっくりしたイメージが自然と合うようになってきてるんですよね。
だから、わざわざ言葉にして細かく説明することは少ないんですけど、それってやっぱり長く一緒にやってきたからこそだと思っていて。
とはいえ、最初の段階でイメージの共有をするっていうのは、やっぱり大事なことだなって思います。
ーー日本語の歌詞にダンスを合わせる上で意識している表現だったり、動きみたいなものはありますか?
Momoca.:言葉ひとつに対して、あまりダイレクトに表現しすぎないっていうのは、実は少し意識しているところです。
もちろん「キャッチーさ」は、私たちにとって一番大切にしている要素のひとつなんですけど、あまりにもキャッチーに寄せすぎると、見ている人が飽きてしまうこともあるなと感じていて。
たとえば「恋愛系の曲で踊ります」ってなったときに、その感情をストレートに出しすぎると、ちょっといやらしくなってしまうことがある。でも、それって“ももぞうらしさ”ではないと思うんですよね。
だから、そういう表現はあえて避けることもあります。
RIKAZO:連想できるギリギリを攻めてるみたいな(笑)
めちゃくちゃダイレクトに取る時は、ダイレクトに取ります。最近だと、Aqua Timesさんの「虹」でやった時、「左胸の奥が高鳴る」っていう歌詞があったんですけど、自分が左胸をパパンってやって、ももかがそれを操るみたいな。ダイレクトに取るときは結構ふざけてるみたいなのもあるし、連想させる時もあるしっていう感じでいい塩梅に・・・(笑)
ーー「塩梅を持つ」という姿勢は、先ほどおっしゃっていた“飽きさせない”という点以外にも、何か意図があるのでしょうか?
RIKAZO:そうですね、やっぱり“ダンサーのダンス”であるっていう意識は常にあると思います。
あまりにもダイレクトに表現しすぎると、たとえば全身で踊るべきところが、手の動きばかりに偏ってしまって、ただの身振り手振りになっちゃうことがあるんですよね。
私たちはあくまでダンサーとして表現しているので、「どうダンスとして落とし込むか」というところは、常に考えてるかもしれません。
シンプルすぎると、どうしても“手振りだけ”みたいな印象になりやすいので、そこはバランスを大事にしています。
Momoca.:TikTokの上半身だけの座って踊れるようなダンス・・・ではないから。
RIKAZO:そうなりかねないから、ダンスにするっていう感じですね。
ーーダンスで個性を出すにはどうしたら良いのでしょうか?
RIKAZO:これは色んなダンサーさんから、様々な意見が出ると思うんですけど、いろんな引き出しを作るっていう意味で、自分はとにかくいろんなジャンルの先生のレッスンを受けに行くということを大事にしてました。
レッスンを受ける上でも最初に意識してたのは、分身って言われるくらい同じ動きをして、先生のコピーをすることから入りました。
なぜそれをするかっていうと、コピーをせず自分のやりやすい形で先生の振りを落とし込んでしまうと、全部自分のやりやすい形でやってしまうので発見がないっていうことが多くて。
なので、1回自分のいつもを捨てても先生のまんまをやることで新しい発見があって、それが鍛えられて、自分の引き出しの一歩になっていったなっていう経験があります。
結構最初から踊る上で自分を出してねっていう先生も中にはいるので、一概には言えないんですけど、自分は1回コピーして先生通りにできるようになって、どこを自分色にして行きますかっていう作業をしていくことが多かったですね。
Momoca.:私も全く一緒でした。生徒の時は、分身って言われてたんですよ。
そっから自分もインストラクターになりたいって思ったけど、その先生の分身ってずっと言われてたからじゃあ別に私に来るんじゃなくて、その先生に行けば良くない?って。
そこでどう自分のところに来てもらえるかって考えた時に、私は結構自分のダンスが好きで、動画とかもよく見るから、自分が得意なこととか苦手なところも理解してたのでちょっとずつ自分の色を入れてました。
それこそ自分は目線1つで全部変わるなって思うから、スキルがあんまりないと思ってても目線って誰にもできるので、ずっと鏡を見てるんじゃなくてこの瞬間に自分はちょっと目線逸らそうとか。
そうやって個性出してくとどんどんいろんなこと試したくなってくるから、じゃあちょっと音聞こえるから胸のヒット勝手に入れようみたいな(笑)
そういう遊び心みたいなものは大事にしてあげた方が、それが個性になっていくのかなと思います。
ーーワークショップなどで、最後に何名かがピックアップされることがあると思いますが、どのような部分を見て選んでいますか?
RIKAZO:それで言うと、自分が先生としてワークショップをやるときは、「隙がない人」を選びたいなって思います。
ワークショップって、基本的には生徒のみんなが先生の振りを習って踊る場なので、やっぱり“習いたて感”が出やすいんですよね。どうしても「先生の振りを踊ってる子たち」っていうふうに見えてしまう中で、いかにその中でも“隙なく自分を見せられるか”が大事だと思っています。
振りを間違えずに踊れているかどうかは、実はそれほど重視していません。
それよりも、何十人の中で“スッと目がいく人”。たとえば目線の使い方だったり、立ち姿が堂々としているかだったり。そういった基本的な部分に目がいきます。
だから、「間違えたから選ばれないかも…」って心配する必要はないです。
完璧に踊れないとおかしいなんて、先生たちは1ミリも思っていないので、その中でどれだけ“目を引く存在”になれたかが大事かなと思います。
ーー自分が選ばれる立場だった時には、どのようなことを工夫をしていましたか?
RIKAZO:自分はもう音の再現度で勝負してましたね。
さっきの振り覚えの話の時もあったように、自分の長所は振り付けと音の組み合わせのスピードが速いのと、それを体で表現するバリエーションというか、ボキャブラリーが多いところが自分の長所だと思ってるので、例えばその曲にボーカルが入ってたとしても、カウントで振りを習うじゃないですか。
でも果たしてそのカウント通りに歌い終わってるのか、0コンマ何秒伸びてるかもしれないとか、0コンマ何秒早く始まってるかもしれないっていうところまで耳を澄まして、音を完璧に再現しにいくというか。自分の体から音が出てるように踊ることを意識してやってたら、選んでいただいたりすることが多かったかなって思うので、とにかく音をすごく聴いてましたね。
Momoca.:自分、性格的にすごくめんどくさがりなんですよ(笑)。
それがダンスにも出てるなって自分で思ってて。
だから、あえて“動かない”とか、“動きをあえて小さくする”みたいなことを、ところどころに入れてるんです。
たとえば、先生が全体をバーッと見たときに、みんなが大きく踊ってる中で、自分だけ全然動いてない……みたいな(笑)。そうすると「ん?」って目が向いたりするじゃないですか。あえてそこを狙うっていうか。
めんどくさがりだからこそ、たとえば「ここフリーでどうぞ」って言われたときに、がむしゃらに踊るよりも、みんながめちゃくちゃ動いてる中で、1人だけ立ったままちょっと首だけ動かす、とか。
そういう“引き算の見せ方”のほうが、逆に目を引くなって思っていて、自分はそういうやり方をよくしてましたね。
ーーダンサーとして影響を受けた人や作品はありますか?
RIKAZO:自分はもろGANMIさんがそうですね。やっぱり中2から5,6年くらいずっと先生としてGANMIさんの姿を見てきて、ダンサー界に留まらないダンサーの姿みたいなものをすごい間近で見てきたので、ももぞうをやるってなった時もそこに憧れを持ってGANMIさんみたいに、ダンサー界に留まらないいろんな人に知ってもらえるチームになりたいなっていう思いはGANMIさんから影響されてます。
Momoca.:私はそれこそさっき言ったAkanecchiさんと、もう1人同じくらい長くついてる先生でtaabowさんっていう人がいて。
Akanecchiさんは今のダンスの基盤を作ってくれた先生というか。自分が今教えてるジャンルは全然違うけど、Akanecchiさんに習ってたからこそ、こういう母数の多いジャンルであるガールズで何か違うものを出さないといけないってなった時に、そこのAkanecchiさんっていうのが自分的に大きいのかなっていうふうには感じてます。
taabowさんはメディア系のバックダンサーとかを受けていらっしゃる方で、自分がメディア系のお仕事を初めてもらったのがtaabowさんでした。自分がそういう現場での立ち振る舞いがわからなかった時、そういう姿を見せてくれたのtaabowさんで、口数が多い方ではないので直接的に言われたわけではないけど、ちゃんと姿で見せてくれた方っていうのでtaabowさんはすごく大きかったです。
ーーRIKAZOさんにお聞きしたいのですが、GANMIさんは一般の方がダンサーを見にくるっていう世界観を作っている方だと思います。そのGANMIさんからはどのような教えを受けたのでしょうか?
RIKAZO:質問の直接的な答えになるかはわからないんですけど、GANMIさんは新しいことを自分達で正解にしてたチームなのかなって思ってて、そういうのを見てたからこそ前例がない新しいことに挑戦することに対する恐怖心みたいなのが、GANMIさんを見てたから薄まったかなっていうのはあります。
先生たちがこういうふうにチャレンジしてるのに、自分がなんでこんなにビビってるんだって。
だから何か直接的な言葉で言われたわけじゃないですけど、ももぞうのツアーとかもとりあえずやってみようって思えたのは、そうやって常に発信して背中を見せてくれた先生達がいたからかなって思います。具体的な教えを受けてはいないんですけど、先生達の活動でそれをもらってる感じですね。
ーーダンス活動の中で、これまで直面した壁や悩みはありましたか?
Momoca.:自分は基本ポジティブ人間なので定期的に落ちるみたいなのはないんですけど、何年かに1回大きいのがバーンってくる感じで。結構ももぞうで活動してる時に落ちたことがあったんですけど、こう相方がいてくれて保てた部分はあったのかなと思います。
でも結構自分のダンスに対してナルシストな部分もあって、踊ってて納得できないとかはあるけど全然踊れてないってことは自分めっちゃ伸び代あるってこと?って変換できるのでスキル面で落ちることはないです。落ちるとしたら人間関係とか、あとは人前に立ってやる時間が増えると、やっぱり周りの目線だったり、マイナスな言葉とかの方が人間って耳に入ってきちゃうからそれを気にしすぎちゃうとかはあるのかなと思います。
RIKAZO:自分は1個大きい壁にバーンとかはないんですけど、自分が中高生の時に入ってたジュニアクルーのCJDAの最中にずっと感じてたことは1個あって、「CJDAのRIKAZOじゃなくっなった時に自分には何があるんだろう」っていう枷みたいなものを背負いながらずっとやってました。
すごく充実した環境だったんですけど、自分でその環境を作ってないからこそ、卒業してその環境がなくなった後に何が残るんだろうみたいな。
だから何かを残すために、クルーと並行して個人の活動を頑張るようになって、それこそももぞうを組んだのもCJDAの活動中だったので、クルーの活動外で何ができるかみたいなものをすごい模索してた5年間でしたね。
ーーそういう壁や悩みはどうやって乗り越えてきたんでしょうか?
Momoca.:私は毎回ダンスをしない選択をとる。大きく落ちると根本的にダンスが手につかなくなっちゃうんですけど、ちょこちょこ出てくる悩みとかの時は自主的にダンスをしないで他の好きなことをする。自分の趣味に全振りすると自分が悩んでたことがすごいちっちゃいことに感じてきて、「なんで自分こんなことで悩んでんだろう」ってふと思って全然戻れたりします。
RIKAZO:自分は乗り越え方っていうのであってるかはわからないんですけど、もうとにかく新しいことをしまくってた。悩んでる時に何か新しいことをして自分を変えようとしてたというか。
考えてるだけじゃ何も変わらないと思って、そこでじゃあCJDAがなくなった時にこれが残りますねっていう行動をしておけばいい、ただそれだけって感じで良くも悪くも広く浅くいろんなことにチャレンジしてましたね。
それこそいろんな先生のレッスンを受けに行ったのもその時で、いろんな知り合いを増やして、作品に出て。いろんな行動をしていることで「自分頑張ってるね」って感じでなだめてあげてたというか。
足踏みしてるんじゃなくて、「何かしら行動に移してる自分偉いな、よしよし」って感じで。
ーー今後チャレンジしたいことや夢はなんでしょうか?
RIKAZO:引き続きいろんなところにダンスを教えにワークショップしに行きたいっていうのはありつつ、あとはももぞうだからいいよねとか、この2人の空気感っていうものをもっといろんな人に知ってもらいたいなっていう。
すごく理想の話をすると、例えばこのももぞうの空気感がいいから、2人に振り付けをお願いしますとかバックダンサーお願いしますっていう依頼が来るとかだったり、この空気感にマッチングする何かがあったらいいなと思ってます。そこが夢というか目標というか。
あとはそれこそダンスだけに留まらず人としても好きになってほしいし、ダンスをしてない方にも知ってもらえるようになりたいっていうところもあるので、そういう方達も巻き込んだイベントとかもできたらなと思ってます。
ダンスへの熱い想いや、これまで直面してきた葛藤、そしてそれをどう乗り越えてきたのか──
普段はなかなか聞けないリアルな声が詰まった今回のインタビュー。
そんな2人が、第6期BUZZメインアンバサダーに就任!
これからはSNSを通じて、BUZZの魅力を2人らしい視点で発信してくれる予定だ。
今後の活躍から目が離せない!
■Momoca. Profile
繊細な感情表現と柔らかな身体のラインで観る者を惹きつけるダンサー。
HIPHOPやJAZZをベースにし、ストーリー性と空気感を大切にしたスタイルで、楽曲の世界観を深く掘り下げる表現力が魅力。MV、イベント出演など幅広く活動し、その感性を生かしたパフォーマンスで観客の心をつかんで離さない。
ダンサーとしての活動に加え、振付や演出にも積極的に関わり、自身の独自の世界観を作品に反映。
静と動、繊細さと力強さを融合させるパフォーマンスで、“空気を変える”存在。
その魅力で、ダンスシーンに留まらず、幅広い分野で影響力を発揮している。
Momoca. 公式Instagram
https://www.instagram.com/im_momoca._/
■RIKAZO Profile(所属:株式会社HOTIS)
重心のあるグルーヴと鋭さを兼ね備えたムーブで、圧倒的な存在感を放つダンサー。
HIPHOPを軸にしながらもジャンルに縛られず、自分だけのスタイルを追求。強さだけでなく、遊び心や静けさも織り交ぜた表現で観客を引き込む。
株式会社HOTISの取締役としても活躍するRIKAZOは、ダンサーとしての活動に加え、ビジネスやクリエイティブな面でも幅広い才能を発揮。バトルやショーケース、映像作品に出演し、振付・演出にも積極的に取り組むなど、業界内で独自の存在感を確立している。
立ち姿ひとつにもストーリーを感じさせる、“空気を動かす人”。
その多岐にわたる活動を通じて、ダンスの枠を超えた影響力を持つ。
RIKAZO 公式Instagram
https://www.instagram.com/rikazo.0418/
株式会社HOTIS
https://www.instagram.com/hotis_official
■ももぞう Instagram
https://www.instagram.com/uchiraha.momozo/
BUZZチケ編集部注目ポイント
圧倒的スキルと独自の世界観で多くのダンサーから人気を集める「ももぞう」がBUZZ第6期メインアンバサダーに就任!!
ダンサーたちにとってためになりすぎる内容となった今回のインタビュー。今後の活躍やBUZZアンバサダーとしての活動にも注目だ。